★放浪虫(2011・神奈川)・目次

※二日目その14

2011年、9月28日。

そんな訳で、本日の晩飯はそごう横浜店内のオイスターバー『GUMBO』。

OHPには17時以降はお通し代として300円を頂きますの文字。
この明朗会計、近所の居酒屋『新平』の大将に見せてやりたいぜ。

何せ新平ちゃん、お通し代だけで千円を余裕越えしてんじゃないかって時がチラホラ。
突然、クジラの甘露煮とか煮込みハンバーグとかお通しに出て来て『えー』てなること、チラホラ笑

そんな新平ちゃんは、佐賀出身。


…いや。新平ちゃんの話は、今はいいんだ。

そんな訳で、もうテンションも駄々上がりである。

何故かって?そりゃ、コレだもの。

ね?

コレを前にしてテンションが上がらないわけが無い!
スゲェよコレ、全国の牡蠣大集合だってよ!桐島、部活やめるってよ

…そんな映画、観た事は勿論、無い!(後先考えずに物を言うなとアレほど)

早速、入店。

ピシッと決めたカッターシャツの白さも眩しい給仕の兄さんに笑顔で出迎えられ、そうして席へと通される。
途中に変な段差があるから、皆さん、そごう横浜店内のオイスターバーガンボに行く際は、その点に気を付けて。(また細かい情報を…)


もとい、席に着いた俺達の前にまず出てきたのは四角いリッツ的なモノと、ハーブを練り込んだバター。コレがお通しかな。コレで300円…。

あー、コレはアレかね?ちょっとした詐欺かね?

そうなのだ、この社会において小学生のオヤツなんてものはこの程度の価値しかないのだ。…などと皮肉めいたことは言わない。

そう、僕コレでも三十路に入って早数年。一枚150円もするリッツもどきなんざ、ひ、ひ、一口で食べてやる!!(落ち着け三十路。)

…そんな訳で。

まぁ、何はともあれ、だ。牡蠣ってのは本当に美味しいね。

ご馳走様でした。

そうして横浜駅にて妹を見送った後、みなとみらい線にて馬車道駅へと帰る。
ホテルの部屋にて風呂に湯を張り、肩までざんぶと浸かってホッと一息。ゆっくりと今日の疲れを癒す。
…我ながら、中々に濃密な一日だった。

さて、明日はいよいよ帰高する日だ。
しかし予約してある飛行機の便は17時前。帰るまでにせめて上野動物園と東京タワーは回りたいモノである。

馬車道駅よりホテルへと帰ってくる途中にローソンで購入した焼酎を呷りながら、そんな事を取り止めも無く考える。

…ああ、やはり旅行は良い。

何が良いかって、この空気が一々良いのだ。
今日と言う日の思い出を全て包括し、そうして総括する時に生まれる、この空気。
この空気をつまみに飲む、この酒が本当に美味いのだ。
コレこそが良いのだ、これぞ旅行の醍醐味だろう。だから旅は止められない。

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さて、前日分から引き続き、本日分のムジクはタマキコ氏こと(此処でフフッとなったら、そんな貴方は玉吉フリーク)『玉置浩二』より『田園』。

玉置浩二/田園

…え?何が前日分から引き続いてんの?なんて思った其処の貴方!

残念である。

そんな事ではまだまだだと言わざるを得ない。貴方は浅野温子フリークとしてはまだまだだ!(コレほど、どうでもいい感の漂うフリークもねぇけどな!)

そうなのだ!この曲は、この曲こそは!

タマキコ氏と浅野温子が主演したドラマ『コーチ』の主題歌なのだ!!

どんなドラマかは、コチラ

個人的に言うと、このドラマも割と好きであった。タマキコ氏も今ほどのキティTHEガイでは無かったし笑
キティTHEガイって言えば、青田典子は依存症だよね絶対に。
タマキコ氏に限らず、あの人は何かに依存して無いと駄目なタイプだと俺は見るね…って、何の話だ一体コレは。

閑話休題

この田園と言う曲は、曲調も勿論好きなのではあるが、兎に角、歌詞が沁みる。
勿論、初めて耳にした当時も沁みたが、この歳になって改めてね、色々と経験してきた中で聴くと、また違った所にね、ぐっと沁み入って来るのだ。

『生きていくんだ、それでいいんだ』

この潔さ、このしなやかさ、この本質主義
シンプルイズベスト、此処に極まれり。

この絶対的な自己容認。

人間が人間として生きて、そうして死んでゆく。
その目的なんてものは、実はコレだけで良いのかも知れない。

…いや、この歳になって強く思う。きっとコレだけで良いのだ。

お腹が空きました、しかし銭がありません。勿論、手元には食べ物なんて有りません。どうしましょうか、餓死しそうです。

なんて、こんな状況に陥った時、貴方ならどうする?

俺ならまず他人の畑の大根盗んで腹を満たし、そうして漁港に行って停泊してる船に張り付いて持ち主の漁師が現れたら額を地面に擦り付けて漁を手伝わせてくれって懇願するね。それが別に逆だって良いよ、兎に角、何か食ってから考える。

そんな生き方が幸せかって?
さぁ、それはその時のその本人次第であって、外から色々考えたところで想像も出来ない話だね笑

しかし、ただ1つだけ言えるのはさ。
自分で考え、生きたいと思って生きてるんだから、それで良いんじゃないかな。

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…ピピーッ!!ピ、ピピーッ!!

ステージに物を投げないでください!!ステージの物を投げないでください!!!(てか投げ返すな)
ちょっとしたお茶目な冗談です!冗談ですから取り敢えず、一旦その拳を下ろしてください!!!

あのタイミングで突然牡蠣の殻のみを貼り付ける事により、『ええー!まさか!牡蠣のあのぷりりんとしたミルキー極まりないであろうグロ画像は!?』なんて皆さんを焦らし、その反応を見たかっただけなのです!

ま、予想通り、

無反応だったkedona!!

説明しよう!!
この『kedona』の元ネタとは、『The Elder Scrolls IV: オブリビオン』という外国のRPGの日本版でのローカライズ時に起こったと思われる杜撰なデバック不幸なタイプミスである!
俺は何も知らずにプレイしていて、此処で、この画像の場面で珈琲を吹いたのである!

kedonaて!お前、ワザとか!kedonaて!!

WESTENDxYUKI』さながらか!!(古っ!寧ろ、このタイミングで珈琲吹くレベル笑)

ダヨネー、ケドナー、ソヤナー、ソワカー、ソワカー、オンキリキリバサ(はいそこまで)

因みに、この画像は一連の暗殺者クエストの一幕であり、この脳みそが筋肉で出来たオーガは組織の仲間の一人であるのだが、そのクエストラインの割と中盤の辺りでスパッと全員くびり殺すこととなる。
新参者のプレイヤーが古参の彼らと凄く仲良くなってから直ぐの皆殺しである。

キてる、キてるよコレ!今、外国のゲームが熱い!!(今って言うか、オブリビオンは2007年のゲームやkedona)

以上、今回の『亮のベセスダ万歳!』のコーナーはこれまで!待て次回笑

…(だから、コレは、何の話かと、アレほど)

もとい。

笑顔の爽やかな給仕の姉ちゃんが持ってきたメニューに目を通しながら、妹と作戦会議を行う。
何はともあれ、まずは生牡蠣だろう。まずは、生牡蠣だろう!!(大事な事なので二回言いましたってか。うむ。)

そんな訳で、取り敢えず生牡蠣のページを開いてみる。
被災地支援と言うと余りに取って付けた様で申し訳なくもあるのだが、それでも俺は、此処は黙って三陸産を腹が下るまで食ってやろうと息巻いては居たのである。
しかしながら、当然と言えば当然であるが、残念ながら三陸産の牡蠣のページには『現在、取り扱っておりません』と書かれたシールが貼られていた。

その時の無念は去年2012年の神奈川〜関東旅行で晴らしてきたのであるが、それはまた別のお話。


給仕の兄ちゃんにお勧めを聞いて適当に見繕ってもらったのが、ドドン!どうよコレ。
手前の大きいのが国産の、何処だったか忘れたけど確か三重とかその辺のアレだったんじゃなかろうか。
そうして奥のちょんまいの、コレが何とビックリ、外国産の牡蠣である。確かアメリカはカリフォルニア産とか、そんなアレだったように思う。はっきりとは覚えてないが。
アメリカ産とか生で大丈夫なんか?と兄ちゃんに尋ねたら、何でも採りたてのビチビチを空輸でホイだからまだまだ全然ビチビチingだそうな。(日本語で喋れ)

でね、コレほら、牡蠣って白いプリンプリンの腹的な所に海水を持ってんだけど、逆側から唇で挟んで外にその海水を搾り出しながらチュルンと食べるのが美味しい食べ方らしい。
塩加減が絶妙になるとか、ならないとか、確か美味しんぼで山岡さん辺りが言っていた気がする。

その山岡さんの言っていたことは取り敢えず無視して(おい)、本能の赴くままにむしゃぶりつく。
大体、山岡さんの言ってるのは、海で採れた牡蠣をその場で食う時の食べ方の筈。知らねぇけど笑

コレはしかし、美味い。てか、美ん味い。

意外かも知れないが、この外国産の牡蠣がまた、小ぶりなんだけど物凄い濃厚な味って言うか、ああ、コレは海のミルクだわ。
何せ、牡蠣を嚥下する俺の食道こんなにもミルキー(因みに、海のミルクと言われる由縁は味ではなく色と栄養価の高さに対してである。だからノリで、喋るなと、あれほど。)ウェイ!(?)

兎に角、外国産の牡蠣は想像していたより遥かに美味かった。
国産の牡蠣は、想像通りごっつ美味かった笑

さて。

美味いツマミが其処にある、そうすると後は酒だ。酒が必要だ。
実は着席してすぐ、給仕の姉ちゃんがメニュー持って来た瞬間に『取り敢えず酒のメニューをお見せなさい』と辛抱堪らずドリンクメニューを取り上げた俺であった。

開けども開けどもワインだのシャンパンだの…、中々日本の酒のページに行き当たらない。
コレで結局は洋酒しかありませんでしたーっとかってなったら、もう出ちゃおうかな。外、出ちゃおうかな。

そんな事を考えながらさらにページを捲っていたら、僅か数行、確かに焼酎と日本酒も載っているページに行き当たり、『少なっ!』とは思いつつも一安心である。
しかも、銘柄こそ少なかったのだが、コレだ。


まず良い名前だよね、何をおいても良い名前だ。『菊水の辛口』。
コレね、もう商品名からして『オッス!オラ辛口!』て言ってくれてるもんね、辛いの大好きな俺にとっちゃ本当に分かり易くて良い名前じゃないさ笑

それでいて、また味も良い。辛さは思ったよりも控えめだったけど、爽やかで飲み易い。
生牡蠣の味が意外と濃いというか、塩っ気も強いし、料理も結構ムツこいの来そうな感じ(生牡蠣以外はセットメニューを頼んだのである)だったから、コレは丁度良いくらいの飲み口かも知れない。

個人的に牡蠣にはワインより断然こっちだ。好き嫌いだけでなく、普通に合うと思う。

そうやって考えると、しかし此処はセンスは良いのかも知れない。こうやってピンポイントで牡蠣に合う酒を選んで載せてるんだとしたら、銘柄なんざそんなにいらねぇか。
結局、三本ほど空けた。

因みに、妹は酒が飲めないのでウーロン茶である。


そうして、酒に合うと言えばコチラも忘れてはいけない。
牡ぁ蠣ぃフぅラぁイぃぃ〜(※青い猫型ロボ風に)
給仕の兄ちゃんが『お待たせしました〜』なんてスッゲェ爽やかにテーブルに置くものだから、こっちも『おっ!ぃよっ!待ってました!おおきに!』と爽やかに(何処がや)お礼を言い、そうして速やかに齧り付いた所までは良かったのだが…、

無茶苦茶、熱い!!

揚げたてやかコレ揚げたてやんか!!!(当然やいか、てか揚げたてや無かったらアンタ怒るやか)

呆れる妹を尻目に、あっつあつの肉汁ならぬ牡蠣汁に咥内を蹂躙されフォォフォォォとHKさながらに身悶える俺。それでね、また、その後に飲む酒が美味いんだコレ笑


コレは何だったかなぁ、何か色々塗った牡蠣にチーズを振り掛けて焼いた物やった筈。
美味かったけど、すんげぇムツこくて、正直コレなら普通に焼き牡蠣かなって思ったね。もっとも、ワインならもっと相性が良かったのかな笑
どちらにしろ、牡蠣料理は兎にも角にもね、生牡蠣、焼き牡蠣、カキフライの完成度が高過ぎるって思うのよ。極論言えば、他はまぁちょっとしたお遊び感覚だもの。


はい、んで牡蠣パスタとそれをスプーンとフォークでクルクルっと繰ってる妹の手。
因みに俺達は、親父が大学時代に親交のあった(親父が神父の右頬を思い切り張り『おい、はよう左頬も出さんか』と挑発してビンタの応酬に発展したりとか、そういった類の親交らしいが)イタリア人神父『ガエタノ・フィリデッティ』師から学んだとされる"イタリア式ナイフ&フォーク捌き"を教わってるので、亜流ながらナイフとフォークがあればそこそこどんな料理でも食える。
しかしながらテーブルマナーなどは一切知らないので、俺なんかは結局、箸だろうがナイフとフォークだろうが傍から見れば山賊みたいな食い方になっている感は否めない。

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今年2013年の4月に亡くなられたガエタノ師のご冥福を、此処に心よりお祈りいたします。
幼い頃に俺の頭を撫でてくれた彼のゴツゴツした手の感触、そうして優しい瞳の鬼のような赤ら顔、美味かった手作りのローストビーフ東日本大震災の直ぐ後に心配して送ってくれたローマ字オンリーのメール。
薄らぼんやりとしか覚えていないけど、一つ一つが経験として、俺の血となり肉となって生きています。有り難うございました。どうか、安らかに。

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