★放浪虫(2011・神奈川)・目次

※二日目その2

2011年、9月28日。

『毎度お世話になってます、亮です。』

『あー亮さんですか?いや、お忙しい所スミマセンN岡ですけど。お時間、大丈夫ですか?』

…いかん!コレはいかん!

この切り出し方、コレは、

面 倒 臭 い パ タ ー ン や !!


電話を切りたい気持ちで胸が一杯になり、思わず吐きそうになる。
コレは真面目に話を聞いてたら、待ち合わせ時刻に絶対間に合わない。

『いやースミマセン、実は俺、今ですね、神奈川に居いましてね、これからちょっと出ないといけないもんで…』

『あーそうですか!それはスミマセン、いや本当、ちょっとだけで良いんで、お時間ちょっとだけで良いんでお話、聞かせてもらえんですかね?ちぃと教えてください…』

いかん!出てしもうた、ちょっとだけ教えてくださいが出たでー!
予防線張ったのにアッと言う間に"長くて面倒臭いパターン"へ確変入ってしもうたやないか!

『…でね、亮さん、●●店と○○店が好調なのに対し▲×店は…』

『はい、はい…いやN岡さん其処は、つまり裏返せばこうこうでもありまして…』

…。

ただ今の時刻、十時に十分前。朝飯、またも喰えず。
いや朝飯は良いのだが妹との待ち合わせ時間に十分前である。

…畜生、お前らは何か?

さては亀仙人か!

ド ラ ゴ ン ボ ー ル 1 7 巻 の 亀 仙 人 か !!

『確かにN岡さんの仰ってる通りでして…ただその辺はこうやって電話でチラチラと話してどうこう言うような話でもありませんから、一度高知へ帰ってからゆっくりお会いしてですよね…』

『あ、亮さん神奈川でしたよねスミマセン笑、ではもう一つだけ…』

バカー!!!
だから偉いさんは嫌いなんや畜生!この空気読み方知らズめ!

お前なんか、お前らなんかみたいなもんは畜生、畜生バカー!!!!←落ち着け

…結局、電話を切れたのはそれより更に十分後であった。ハタタ

(俺の書き物に時々出てくるこのハタタというのは"涙がハタタと2、3滴床に落ちる"的なイメージの擬音です笑)

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RADWIMPS/セプテンバーさん

♪手と手を取れば揺れる心が、抱えた不思議、それはテレパシー
♪さぁ今だから、この声だから、さぁ今ならば、この声ならば

コンバンワ。土佐のセプテンバーさんこと、亮です。←九月生まれなだけやろが

そんな訳で(此処でどんな訳やと返す、そうそれは"お約束")、本日のムジクは『RADWIMPS』より『セプテンバーさん』。
サブ記事が九月の旅行の話だし笑、お誂え向けなのかなと思ったりしたのである。

この曲が収録されている彼らの3rdアルバム盤、確かタワーレコードの期待の新人枠的なスペースに面陳列されていたように思う。
俺が初めて彼らの名前を"認識"し、そして初めて手に取ったアルバム盤だ。

そのタイトルも"RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜。

そう"無人島に持って行きたい一枚"でもなく、"無人島に持って行きたくない一枚"でもなく、"無人島に持って行き忘れた一枚"。
個人的にはこの辺に彼らの少し歪んだ自己顕示欲みたいのを感じる訳で、其処に好感を感じた俺は取り敢えず購入することを決めた。

誤解を、語弊を恐れずに言う。このアルバム盤は、兎に角ブレにブレている様に感じた。
定まらない感じが凄かったのだ。分からなかった…彼らが何を歌いたかったのかが。

音楽雑誌などでよく見る、『ジャンルの垣根を越えて様々な要素を内包した新機軸』的な、ね?パッと見、そういうヤツだった。

だがしかし、その実、コレはどうなのだろう…と。

先に言っておくが、俺にとってのジャンルとは=『アーティスト』、=『楽曲』くらいのモノである。

例えば"一々アーティストとか楽曲とか挙げてるとキリが無いから便宜上"と言う意味ではなく、『俺ヒップホップは全般的に好きだから』だの『ロック以外カス』だの『Jポップってそれだけで童貞臭い』なんてね、臆面もなく言える様なヤツのことが本当に良く分からなくて、ジャンルなんて何処の誰が好き勝手選別したのか知んねぇけど、そんなフワッフワの"各個人のイメージそれのみに依存した糞あやふやなモノ"をさもガッチガチな定義として語れる人のその脳味噌パラダイス感が本当に、いや本当に羨ましい訳であるのだ。

アレほどシンプルにね、何も考えないで良いのなら、生きてくの本当に楽なんだろうなって。

ちょっと毒を吐きすぎた笑

もとい、そういう考え方である俺がだ、例えばB'zのジャンルは『B'z』、スピッツのジャンルは『スピッツ』…そんな考え方の俺が、彼らRADWIMPSのジャンルを計り兼ねてしまったのだ。

『ジャンルの垣根を越えて様々な要素を内包した新機軸』なんて言う、しかしそれはだ、腹に据えた一本の、真っ直ぐな芯、槍があってこそでは無いのかなって、昨今は良くそういう事を思うのだ。ismは何処だ、と。
そういったismという芯が、この"RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜というアルバム盤には感じられなかった。

いわば模写でしかない様に思えたのである。音楽の"形態模写"(コレ自体は、俺は肯定派である)とでも言おうか。
俺らはこういう曲も出来るよ、はたまたこういう曲も出来るよ、はたまたはたまたはたはたまたまたはたたまたた…『幽☆遊☆白書』という漫画に『美しい魔闘家鈴木』というキャラが居たのだが、要はそれだ。←殆どの人が既にわからねぇ感ヒシヒシ

心が感じられなかった?…いや違う、そういう訳ではない。
心は感じられたんだ。しかしながら、その心は迷走している様に感じられてならなかった。

そもそもがだ、こうやって自分達の音楽を、音を形として世に出す人達には、総じて心がある。その作品達には例外なく心がある。
その色が黒か白か?佇まいが上品か下品か?そういった差異はあれども、心は心だ。

そして、その心が先に述べた"芯"足り得るのか。

その心に、その想いに、"自分"以外と言う意味での全ての他人に軽々しく否定出来ないほどの説得力を持たせるとなると、コレはもう本当に難しいのだ。きっと。
そういう意味で、彼らの"その心"は迷走している様に感じられてならなかったのだ。

そんな風に感じてならなかった彼らの3rdアルバム盤であったが、しかし、そんな収録曲の中にあって、それでも"此処に彼らの心が有るのではないか"と俺個人として至極勝手に汲み取ったのが笑、『セプテンバーさん』だったのである。

この曲はきっと、

夏の太陽の…あの八月のギラギラした日差しに浮いた下心、それは人生における大いなる一期一会なのか。
晩夏匂わす大熱波…九月ともなれば厳しい残暑、浮いた下心は沈むや否や、それは八月の残照なのか。

九月ともなれば八月の下心は"一夏の恋"か。いや違う、九月だからこそ言える、八月が(夏が)終わった今だからこそ、今ならば歌える、高らかに。
生きてきたからこそ生きていると歌える歌があり、戦い抜いてきたからこそ戦ってきたと歌える歌がある。

これは一過性の物ではないよと、一過したからこそ言えるんだよ、と。だから歌えるんだよ、と。
"今だからこそ"は、転じて言えば"今までは『今』ではなかった"から。

…何てね。そんな事を歌ってるんじゃないかと、そう思った。"芯"は、此処だったのではないだろうかと。

ま、本当の所、彼らがこの歌をどんな気持ちで歌ったとかってのは俺には計り知れない。それは間違いない笑
何せ、元よりそんな所には小指の爪の先ほどの興味も無い。何せ俺は歌い手では無いから、聴き手だから。
しかし聴き手であるからには、俺なりに真剣に、真摯に、せめて自分で購入したCD位とは向き合うようにしている笑

その上で、"俺はこう感じました"って、それだけのこと。
俺にとってはそれが一番重要ってだけのこと。

何?何を言ってるのか良く分からない?

一言で言うと"RADWIMPS 3〜無人島に持っていき忘れた一枚〜というアルバム盤の収録曲の中で俺が一番好きなのはセプテンバーさんだってことだよ!笑←なら最初からそれだけ言えよ的な『おあとがよろしいようで』←何処もよろしくねぇし

東〜東〜(チョン、チョーン)

あ、因みにRADWIMPSで一番好きな曲はダントツで『オーダーメイド』です笑

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『おい!てか、むっちゃ遅いし!何しゆうがでー』

改札の向こうで待っていた妹に久し振りの再会と同時にこっぴどく叱られる兄 in 鎌倉駅
何でも数十分ひたすらマクドで時間を潰していたらしい。メンゴメンゴ。←此処でまた怒られた

そんな訳で待ち合わせの十時に大幅に遅れ、妹と合流した時には既に十一時前だった。
本来は十時チンで江ノ電に飛び乗り、軽く長谷寺高徳院の大仏を眺めた後、昼前の江ノ島で人気店の海鮮丼を掻っ込んでしまおうとの作戦であったのだが、ご覧の通り、のっけからの番狂わせだ。

N岡ェ〜!!(まぁでもこないだ左遷されたから許してあげる笑)

と、此処で幾らむかっ腹を立てたところで、時間を巻き戻せる訳でもなし。
ただただ無為に時間が過ぎるのみなので気持ちをスッパリ切り替え、妹との江ノ島観光を楽しむこととする!

※江ノ電について(※wiki様へのリンクです。その詳しい沿革などを知りたい方はご参照ください。俺は電車の画像などを撮り忘れているので、そういうのを楽しみたい方もどうぞ笑)

俺達を乗せた江ノ電は、時に住宅街の家と家の隙間を縫うように、時に商店街のど真ん中を真っ直ぐと、時に空の青をその身に映し鷹揚に煌く太平洋を側面に臨みながら、地下鉄などに比べれば遥かにゆっくり、しかし着実に目的地へと向かっていく。

少し温い風がならりならりと頬を撫でる、じっとりと汗ばむ額。
何とも、これは気持ちがいい!(※注…端から見ると汗に浮いた中年のオッサンです)ヤダキモチワルイ

そうかコレが夏か、
コレこそが夏の江ノ島なんだね!!

桑 田 さ ん !!ヤダキモチワルイシヌメヌメシテル(※注…桑田さんのことではありませんしヌメヌメはしていない!断じて!!)

…。

汗でヌメヌメしたオッサンは、直に江ノ島駅へと到着した。←結局か!


時刻は十一時過ぎ。

妹と二人、
『ほいたら、まず生シラス海鮮丼で腹ごしらえしてから島をめぐろうぜや。』
『アンタ、アタシもうむっちゃ腹減っちゅうきね!悪いけど超食うきよ!』
…などと会話しながら、ダラダラぶらりと江ノ島へ向かう。


その道中を、何気なくパチリ。


何かソレっぽいものもパチリ。勿論、一切読んでないので、何を書いていたのかは知る由も無い。
トンビに気をつけろとか、何かそんな事じゃね?(もう観光とかするなオマエ)


こんな旅館に泊まってみたいねぇ、幾らくらいするがやろうねぇ。と、妹と引き戸のガラスから中を覗き込みつつパチリ。

中々に趣の有る町並みを楽しみながら、歩を進める。眼前、太平洋に浮かぶ江ノ島の姿を想像しながら。
江ノ島に行く前に此処で海鮮丼を食べて行きませんかー?』と声を掛けてくるオバチャンに『いや江ノ島で食う!』と男らしく宣言しつつ、さらに歩を進める。

大体の土佐の男は多分、呼び込みが嫌いだ。
『一緒にナゲットはいかがですか〜?』と問われるとジロリとその顔を見詰め『要るがやったら最初から言わぁよ。要らんき頼んでないがやろうが。』と返す、そんな面倒臭い人種なのだ。

オバチャン、ゴメンね笑