★放浪虫(2011・神奈川)・目次

※二日目その1

2011年、9月28日。

隊長さんの駆る麺ツに送られ無事に馬車道のホテルへと到着した俺は、隊長さん、ワンさん、指令塔さんといったサイタマノメンメン(※画像はイメージです)と別れ、面倒臭そうなフロントマン相手に非常に遅いチェックインを済ませ、部屋へと入った。


そうして風呂に入り、暫し神奈川のテレビを見ながら、近所のコンビニで購入した焼酎を軽く呷る。
気心の知れた友人達と飲む酒は、確かに美味い。

だが!

だからこそ男には…だからこそ、一人で飲む酒も必要なのである。

風呂上り、パンツも穿かずに馬車道のホテルの一室でカーテンを全開にし、焼酎を片手にテレビのモニターを仁王立ちで眺めながらそんな事をぼんやりと再認識する変態が、今、神奈川に一人…って、やかましゃあ!(良いから穿け、パンツを)

時刻にして、確か午前0時から1時くらいまでだったか。
グッダラグッダラと焼酎を飲み、そうして慣れない"ふかふか"ベッド(カチカチベッドには大慣れであるのだが笑)にて非常に寝苦しい夜を過ごしたのである。

28日は神奈川に住んでいる妹とのめくるめく江ノ島デート。
此処は幾ら寝苦しいと言ってもしっかり寝ておかないと…まさか遅刻なんかする訳にも行くまいし。

"ふかふか"枕の存在感の無さが異常すぎる!!笑
この俺のデカイ頭を全く以って支え切れていない!!

流石は俺の頭、能力に留まらずその物理的デカさすらもまさしく規格外…って、やかましゃあ!

枕が高く無いと寝られない男こと亮、旅行鞄を枕に寝直すの巻。

…(何が旅行巧者だ)←やかましゃあ!

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前日分の記事で思い付いた仮説がなんだったのか、もう既に記憶があやふやな訳ではあるが笑、そこを書く前にまずは本日の楽曲の紹介を。

ユニコーン/Pink Prisoner

俺にとっては間違いなく懐メロなのであるが、もう今の十代、二十代の方たちにはただの古メロでしかないのかも知れない。
尤も、2009年に再結成、音楽活動を再開したみたいなので、そういう意味で"バンドとしては"例え十代二十代でもリアルタイムであるかも知れないのだが、まぁどちらにしろ俺にとってのユニコーンは懐かしいバンド、この楽曲は懐かしいメロディ…なのである笑

そんな訳で、本日のムジクは『ユニコーン』の『Pink Prisoner』。

この曲を初めて耳にしたのは、確か…そうアレは中学校の時に全校集会だか体育祭だか何かスゲェ面倒臭くなって学校を抜saけvo出taしgeた日だった。
興文堂書店という今は無き高知のローカル本屋(確か朝倉店。)にて辞典を立ち読みしていたのだが、その時に店舗のスピーカーからこの曲が流れてきたのだ。

いやぁ、何ていうか初めて耳にした瞬間、『…コレや!!』

すぐさま本を閉じ、店舗にて流れていたラジオに耳を澄ます。曲が終盤に差し掛かったと思われる辺りで、DJが曲名とバンド名を紹介する。
今思えば、確かそれはこの動画で言う所の4分15秒過ぎ、今でも聴いていて一番テンションの上がる所が此処だ笑

俺はこの時に初めてユニコーンを知ったように思う。

はっきり記憶には無いが、この曲『Pink Prisoner』や、また当時の代表曲であったであろう『MaybeBlue』などが収録されていた1stアルバム『Boom』は、この時既に発売されて数年は経っていたのではなかろうか。

そう、それは年齢にして14、5歳の頃…皆が勉学に勤しんでいる時間に公園の石のベンチに横たわり昼寝する気持ち良さを既に知っていた中学二年生であった…筈。

この楽曲は兎に角、そのノリがガッチリとはまったのであるが、その中でも特筆すべきは『川西幸一』のドラムワークであろうか。
間違いなく、冒頭数秒のドラムワークの時点で脳髄までガツンとやられたのだ。
そうして、其処からの奥田節。これにもやられた。

ちょっとしたニューウェーブ感に、立て揺れ出来るドラムワーク、奥田民生の人を喰った様なボーカル。その全てが兎に角、新鮮であった。
…そう、そして此処が重要。

『新鮮であった』

これこそが前日分記事より引っ張った仮説を語る上でとても大切なキーワードとなる。

しかし本当、何か『最近の音源たちにはイマイチ、コレだっ!て感じが無い』…とお思いの同世代(因みに俺は1978年製です笑)も多いのではなかろうか。
斯く言う俺も何を隠そう、まさしく『最近の音源たちにはイマイチ、コレだっ!て感じが無い』と腹の底より憂いている一人である。

初めて岡村靖幸の『あの娘ぼくがロングシュートを決めたらどんな顔するだろう』を聴いた時から始まり、今回のムジク楽曲でもあるユニコーンの『Pink Prisoner』や、俺の命を救ってくれたspitzの『スパイダー』。
前日分にて紹介したBOOWYの『マリオネット』、B'zの『Wonderful Opportunity』。
今までの価値観を良い意味でぶっ壊してくれた椎名林檎の『歌舞伎座の女王』、Dragon Ashの『陽はまたのぼりくりかえす』、swarm's armの『to watch』。
また一つ新しい世界観を与えてくれたcapsuleの『music controller』。
物事を多角的に捉える為の一視点としてとても面白い世界を教えてくれた時と哲学の『芸人の脳』、OMODAKAの『cantata no.147』。(ほぶらきんとかは、また別腹笑)

…挙げればキリが無いこれら楽曲たちは初めて耳にした時の状況すら思い出せそうなほど、物凄い『コレだっ!』感があった。
あの感じを味わいたいが為にズッと様々な音楽を聴いて来たのであるが、昨今ではハンバートハンバートの『バビロン』や★STAR GUiTARの『君はスナイパー』を最後に、イマイチあの背骨に通電して脳味噌から煙の上がる感じが無いのである。

では、今の十代二十代は『最近の音源たちにはイマイチ、コレだっ!て感じが無い』のであろうか?いや多分、そんな事は決して無い筈だ。

サカナクションにせよ、okamoto'sにせよ、RADWIMPS神聖かまってちゃん、忘れらんねぇよ、モーモールルギャバン…ザッと挙げただけでも現在進行形として次々と、様々に生まれ出るアーティストの楽曲に、それぞれの年代、それぞれの嗜好にあわせての『コレだっ!』が存在している筈なのだ。

では何故、それが俺には存在しないのか。今、『コレだっ!』と感じられないのか。
答えは至って簡単、そしてその答えこそが今回の仮説だ。

これまでに俺が挙げてきた俺自身が『コレだっ!』と感じた楽曲達は、その都度都度において総じて『新鮮であった』のである。

此処だ、重要なのは。

新鮮である、初体験である、という事は俺達が思っているよりも遥かに衝撃的で、それは例えて言えばだ、精通時の…あの"魂が黄泉へと引っ張られていきそうな感覚"と、今現在の自慰で射精した時の感じの違いを考えてみると良く分かるかもしれない。

…(しまった、少し下品すぎた上に女性には分からない!)←アホか

…。

例えて言えば、食で言う所の『経験したことの無い味』という物は時としてどんな調味料にも勝る最高の味付けに成り得る可能性があるのでは無いのだろうか。
カレーを好きになる素地のある、しかしてカレーを食べたことの無い人と、カレー好きではあるが故に毎日カレーを食べ続けてきた人が、例えば同じタイミングでカレーを食べたとしてどちらの方が"美味しく感じるのか"。
この答えこそが、俺に『最近の音源たちにはイマイチ、コレだっ!て感じが無い』理由とも言えるのではないかと思うのである。←精通時の例えをサラッと仕切り直した!

語弊を恐れずに敢えて言おう。

俺が『コレだっ!』的楽曲として自分の中での懐メロを挙げ、"それ"と比べて最近は『音源たちにイマイチ、コレだっ!て感じの楽曲が無い』とするのも、これは単に俺が生きてきた人生の中で、出会ったタイミング(⊇そういう"類"に初めて遭遇したが故に感じる感動)に依存する刷り込みに過ぎないのではないかと…いや少なくとも『コレだっ!』と感じた理由そのものではなくとも大きな一ではあるのではないかと、そんな風に思ったのだ。

そう、確かにアーティストの演奏技術、センス、魅せ方聴かせ方…実に様々な要素が、受信側からする楽曲の善し悪しを決定付ける要素になっているのは紛う事なき事実であろう。此処は間違いないのである。
それでも受信者にとって『コレだっ!』楽曲となる為には、技術センス魅せ方聴かせ方等よりも"初めて聴いたタイミング"の方が、その要因としては大きな一、足り得てるんじゃないだろうか。

人間とは慣れる生物であり、人生とは是経験(⊇慣れ)の積み重ね…である。
その歳を、人生を重ねれば重ねるほど様々なことを経験し、経験した事があるからこそ『コレだっ!』と思う条件が徐々に厳しくなってゆくのではないのだろうかと、端的に言えばそういう事だ。

以上、これが今回の"俺仮定"である。

"あの頃"の音楽シーンを、俺らの中での"古き良き"音楽シーンを、今を十代として、二十代として生きている子達が同じ様に感じられるかと言えば、どだい無理な様にだ。
俺が、今の十代二十代の子達が感じている『コレだっ!』を同じ様に感じる事が出来ないのと同じなのであろう。

…。

いや、しかし待て待て待て。
良く良く考えると、見てよコレ、此処で俺が挙げている想い出の『コレだっ!』楽曲…おおよそ一般的というには余りにも無軌道なその音楽の聴きっぷり。

コレを以って今回の仮説を一般論として語るのは余りにも乱暴ではないのだろうか。いや、乱暴だよね間違いなくね笑
一般的には何処かの誰かが便宜上定めた"カテゴリー"ってヤツに縛られた聴き方をする人が凄く多いだろうし…。

…。

はい!

以上、俺による俺への、俺の『最近の音源たちにはイマイチ、コレだっ!て感じが無い』事に対する仮説でした!
何か如何にも一般論風に生意気言ってスミマセンっした!笑←近年稀に見るグダグダ

でも多分、本部長辺りには通用する仮説でもあるとは思います笑←何の得にもならないgdgd巻き添えTHE本部長

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…。

…。

…(Supercar/Yumegiwa Last Boy)※丁度六時担当のアラーム@スマートフォン

スマホより鳴り響いたアラームに叩き起こされる。時刻は六時、そりゃそうだ六時に設定したアラームだもの。
スマホの画面より枕元のデジタル時計へと寝ぼけ眼で目をやる。時刻は六時、そりゃそうそうだ六時に設定したアラー//略

…。

…。(THE二度寝

カーテン全開の窓から差し込む太陽の光によって二度寝より改めて覚醒するは、時刻にして八時ちょい前。

昨晩やる気の無いフロントマンに貰った朝飯用の半券によると、朝食バイキングは九時までらしい。
今から糞して風呂入って歯磨いて髭整えて朝飯喰った後に十時の待ち合わせに向けて鎌倉駅へ出発…となると、割りとタイトではあるが…間に合わないことは無いか。な?

…。

ふと窓から見える馬車道の町並みに目をやる。

うん、今日も良い天気だ。
絶好の観光日和、これはもう天の神様も俺の神奈川旅行を全面的に応援してらっしゃるに違いない!

よーし早速、張り切って踏ん張るぞー!!

『押忍!それがしフンボルトペンギンでござる!フンがフンでフーン!ボルボルボルゥ〜!※ケツを物凄く小刻みに左右へと振りながら横隔膜を上下に激しく痙攣させる様にして音を出す』と、フンボルトペンギンの物真似(無許可、というより無確認。実際のフンボルトペンギンを無確認。)をしながら便器に跨る俺。
てか、この辺の描写を書く必要が果たしてあるのか俺。いや、多分必要が有るか無いかと問われればきっと無いよな俺。

糞が糞で糞ーん♪←お気に入りかよ!

…。

…。

…(昨晩飲み過ぎたせいか痔主様の激しい出血により真っ赤に染まっているついさっきまで純白だった便器を呆然と眺める俺)

…。

…カチッ、ジャー(どうしようも無かったので、流してみた)

…。

うん、今日も良い天気だ。
絶好の観光日和、これはもう天の神様も俺の神奈川旅行を全面的に応援してらっしゃるに違いない!←挙句、無かった事にした。

そうして風呂に入り、歯を磨き、髭も整えた上で、朝食前の一服♪とばかりに煙草を燻らせていた時であった。

…(SPECIAL OTHERS/Wait for The Sun)※携帯の着信音

突然、机の上で激しく鳴動するスマートフォン。時刻は八時半過ぎ…アラームではない。この音は間違いなく着信である。
『はぁヤダヤダ、また仕事の電話かよ。農家かな、専務かな。もう着信拒否しちゃうからな!』と心の中でぼやきつつ、スマホを見る。

…携帯の画面一杯に表示される、電話を掛けて来た相手の名前。『N岡』。

一番の取引先である量販店の生鮮部門のマネージャー(当時)、その人である。上から数えて四番目とか五番目とか、大体その位の立場の人だ。

…。

着信拒否など、出来る筈も無かった。