☆平成22年8月31日

鶴岡八幡宮の"正式な"入り口であろう一の鳥居から改めて町並みを眺める。
何か、小町より賑やかで楽しそう…やっぱり昼だからか?今の時間帯なら小町も楽しそうなのか?


そう、もう昼なのだ。
時間にすると11時過ぎ、結局一時間ちょっと境内をろいろいしていた事になる。ろいろい、とは土佐弁なのだろうか。

自動販売機にてジョージアのエンブレムを購入し、これからどうするか暫く考えてみる。ズタボロの可哀想なるるぶと共に。

1・バスに乗って大仏
2・バスに乗って銭洗い
3・一旦鎌倉駅に戻り北鎌倉駅

…まぁ、この三択かな。

先の二つの選択肢は時間にして往復で小一時間、向こうでの観光の時間も考えると、まぁギリギリと言う程でも無いが、それで観光は終了という事になりそうだ。

北鎌倉駅に関しては、行ってどうするつもりかと問われると、実は大したビジョンも無い訳で、うーむむ。

…と、るるぶにて気になるページを発見。

いや、発見と言うか、別にその時初めて目にしたと言う訳でもなく、もう何度も読み返したページでは有ったが、今の自分としては中々興味深い事を書いてあったので目が止まったのである。

そのページ、『鎌倉散策マップ』…的な。
正式なタイトルは忘れたが、兎に角、鶴岡八幡宮を最後の目的地に北鎌倉駅から歩いて色々見て回ろう!みたいな特集記事であった。

それはつまり…スタートとゴールこそ逆では有るが、鶴岡八幡宮に居る俺からするとこのルートを辿れば此処に書かれている所要時間で色々な仏閣などを見て回りつつ北鎌倉駅まで行けると言う事である。
そして、そのまま横浜駅〜新横浜駅へと向かえば、あとはもう新幹線に乗るだけ!勝ったも同然じゃあないか!

よ し 採 用 !!

こういう決断の速さには定評がある俺、そうと決めれば歩くだけである。
鶴岡八幡宮へ入る時に通った鎌倉美術館の前を改めて通過し、まずは建長寺へ。歩く。歩く。

歩く、歩いて、そして数分後。

…人はなぜ、坂を登るのか。それは。

そこに坂が在るからさ、坂が…そうなんです、坂が在るんですよ!そこに上り坂が在るんです!しかも意外と急こう配!

いい加減、連日の強硬軍でぐったりしっぽり股はズレズレなこの状況で、まだこの長い坂を歩いて登れとおっしゃるのか。

俺よ!

数分前の、決断を下した俺…俺のバーカ!

バーカバーカ!

…もうね、すんげぇしんどいんだコレが。歩道も狭いし、車通りは意外と激しいし。
決断して十数分で早くも挫けそうになったが、それでも俺をひたすら突き動かしていたモノ…言うまでも無い。

それは『空腹』である。

兎に角、昼飯が食いたい、折角だから鎌倉の美味い飯を食いたい…その一心で歩き続けていると言っても過言では無かった。(建長寺はどうした)

何せ此処は世界に誇る鎌倉〜KAMAKURA〜、少し歩けば飯屋の一つも在るだろう。
そんな風に考え、俺はただ歩き続けたのだ。希望と言う名の飯屋を探しながら。(だから建長寺はどうした)

案の定、画像の坂を越え下り坂に差し掛かった所でそれらしき和風の建物が目に入る。
遠目にも中々に良い雰囲気の店だ。ソバかな?和食かな?もしかして…カレー!?自然と足取りも軽くなる。

そうしてその建物の前に差し掛かり、目に入ってきたそれは、死刑判決にも良く似たそれは、その、店の前にぶら下げられたそれは、

『定休日・月曜』

神 は 死 ん だ !!!!

神 は 死 ん だ の だ !!!!

膝が砕けそうになった、意識を失いそうになった、そうして其処はおソバ屋さんだった(ちょっと混乱しています)

結局、建長寺へ向かう道中に数軒の店屋が在ったものの、そのどれもが定休日を月曜に据えるという暴虐非道ぶり。

畜生、此処は鎌倉じゃなかったんだ!俺の鎌倉(違う)がこんなに暴虐非道な訳が無い!!
此処は鎌倉に良く似た19××年の地球だったのヒャッハー!!!!(おちつけ)

advantage Lucy/めまい

余りの空腹からか突然の目眩に襲われた俺、そこからの連想で導き出されたムジクがこの曲。『advantage Lucy』より『めまい』。
アドバンテージ・ルーシーに関しての詳細は前回の紹介の時にボチボチ書いた様な気がするので、此処では省く。

キツく肌を刺す日差しに暑いながらも流れ出る汗の気持ち良さ、時々吹き抜ける山間独特の微かに緑薫る風。
この風も、日差しも、うだる暑さも流れる汗も、全てがただ一度きりの人生で今、"確かに此処にいる"という実感。

…ふと、何気ないこの日常の裏に潜む悠久の一片に触れた様な気がして、そして覚える"めまい"。
地上より空へと向かってグンと伸びる高層ビルを下から見上げた時に感じる"それ"に良く似た、この感覚。

人生は、その一瞬一瞬との一期一会を点として、死と言う皆平等に定められた結末にただ伸びてゆく点の連続であるが故に、自分たちが思っているより遥かに奇跡的で、遥かに壮大な

お腹、空いた。