今日(7月30日)ですね、以前此処でも話した事が有る『俺が友人代表として挨拶に立ち、そうして大ポカやらかした』結婚式の新郎だった友人が久し振りに電話してきまして。


ここでは仮にバラオとしますが、コイツは大学時代の学友で、オフロードバイクと釣りとドカティを心から愛するマッチョマンなんですがね笑、俺とは主に釣り友達だったんです。

そんな彼が、それはもう何年振りかに電話してきて、こう言う訳ですよ。

バラオ『おお、ホッシ(俺の事ね)。市内で中古の釣り具扱いゆう店知らんかえ?』

相変わらず、藪から棒にも程が有ります。因みに、友人代表を頼まれた時も同じようなノリでした笑

俺『んー、俺ぁ知らんけど、うち両親が釣り馬鹿やき、ちと聴いてみるわ。てか、どいたがで?』

バラオ『あー、こないだツレと釣りに行っちょったがやけんど、釣り上げたキビナゴを針に引っ掛けて流しちょったら、小便行っちゅう間に竿ごと持って行かれてしもうてよ。』

相変わらず…その…アホかよ!笑
場所からすると、どうもスズキ辺りに持って行かれたっぽいのですが、まぁそれは兎も角、要は釣り竿が無くて釣りが出来ないとの事でした。

それでふと大学時代のバラオ伝説を思い出しまして、まぁ今日はその辺を書こうかなと。こう言う話なら軽く書けますしね笑

高知には鏡川という高知市内中心部を流れる川が有るんですが、その河口で夜を徹して釣りをしていた時の話です。
河口ですから海水魚と淡水魚がどちらも程良く生息していまして、手軽に釣るには結構面白いポイントでした。

ただ、その時は秋の終わり口頃だったと思うんですが、季節の変わり目という事もあって、とにかくヤツが多い訳ですよ。
ナマズ類の癖に海水に生息している毒を持った憎っきヤツ…そう、ゴンズイです笑
ウチのおかんはググと言うので、宮崎ではググと呼ばれているかもしれません。

ヤツには背びれと胸びれに毒針が有りまして、俺は刺された事が無いので分かりませんが、刺されるとそれはもう痛いらしいんです。

ヤツ等は夜行性でしてね、その日も丁度深夜1時を回った頃くらいから、もう入れ食い状態となってきた訳ですよ笑

ゴンズイを釣り上げては『おっしゲットぉ…おおお!まった!まったゴンズイかよ!アホか!』と文句を言いつつ、毒針に刺されない様にトング的なモノで押さえつけて、切開バサミでバッシバッシと切り開き釣り針を取りだして…の繰り返しにいい加減、嫌気が差してきた時です。

ふと気付けば、隣で釣っていたバラオが今で言う『そんなの関係ネェ!』風の奇妙な動きをしていました笑

ちょっと面喰らいつつも『ど、どいた?』と呼びかけると、彼からは『おいホッシ!一々ハサミ使わんでも簡単にゴンズイが取れる方法を教えちゃろ!見よりや!』と言った返事が…。

そうです、彼は毒針を持ったヤツをあろう事か手で針から振り外そうと考えていたのです笑

傍から見ていても非常に危ない行為では有ったのですが、彼は基本的に脳味噌がガッチガチの筋肉で出来ている男(県内のアームレスリング大会で準優勝)でしたので、『まぁ…いつもの事か』と、俺はそっとしておく事にしました笑

そうして、また暫く釣りに興じる俺たち。
ニロギやウナギといったゴンズイ以外の魚も掛かり、まぁまぁ没頭します。そ、そりゃ小魚ばかりですけどね!!笑

そうして朝の三時ごろ…事件が起こります。

『…ング。』

俺の隣で不審極まりないくぐもった悲鳴が上がったのです。『ん?』と思い、振り返ると…其処には指を押さえて蹲ったバラオの姿が…。

…。

さ、刺されてやがる!!(針に掛かったゴンズイを振る速度が)早過ぎたんだ!!!

心の中でクロトワ風に叫びながら、いや、これは嘘ですが笑、バラオの元に駆け寄り『おい、大丈夫かや?』と声を掛けます。
しかし、余りに痛いのかフガフガ言ってるだけで、小刻みに震えている以外は反応が有りません笑

そうこうしている内に空も明るみ始めましたし、其処で蹲っていても事態は全く好転する訳ではないので、取り敢えず『救急車呼ぼうか?』と声を掛けるも、『いや、大丈夫…寝りゃ治る…』とにべも有りません。

ただ、ゴンズイの毒は死に至る程は強くない事も知っていましたので(勿論、過剰なアレルギー反応を起こす恐れなどは有りますので、病院に行くのが正解では有りますが笑)、その日はバラオを連れて帰る事にしました。

そう…そうして、それからの二日間、彼の姿を見たモノは…誰も居なかったのです…

が、誰も大して心配してませんでしたけどね笑

三日目に久し振りに学校に姿を見せた彼が言うには、『刺された親指が三倍くらいに膨れ上がり、その痛みからずっと寝込んでいた』そうです。熱にうなされ続けながら。

…何で次の日にでも病院に行かないんだ、そう心の底から思った俺でした笑

さて、それでは7月19日分の楽曲紹介に移ります。

Solas/Johnny's Gone For A Soldier

アイリッシュトラッド・カントリーバンド『Solas』より、『Johnny's Gone For A Soldier』です。
ソーラスは1ムジクでは二度目の紹介になりますね。

この曲は南北戦争時に良く歌われていたそうで、その哀愁漂うメロディの元になったのはアイルランド民謡の『Shule Agra』という曲だとの事です。
俺もこの民謡は耳にした事が有りますが、確かに似ています。しかし、この辺の繋がりに関しては全く知りませんでした。

此処で言うジョニーとは、南北戦争時の南部出身者の総称みたいですね。
つまり、兵隊に志願するしないは兎も角、様々な『ジョニー』が戦争に行ってしまった、という歌なのでしょう。

そういったバッグボーンを知った上でこの曲を改めて聴くと、また何とも言えない良さを感じます。
『どうしようも無い現実に抗えない寂しさ、虚しさ』と言った気持ちを、ただ歌っている…静かな叫びにも似て、心にスッと入ってくる名曲です。油断すると泣きそうになる程です笑

この『Johnny's Gone For A Soldier』に関しては、実に様々なバンドが様々な形でカバーしているみたいですが、やっぱり俺としてはこのソーラスカバーが一番好きですね。

何て言うのか、この弾き語りで訥々とただ歌い上げる姿勢ってのが、凄く肌に有っているというか…この曲の起こりを知るに付け、尚更好きになりました笑

こう言う曲を聞いて素直に良いと感じられる人間になれた事…これまでに『俺』という人格を形成してくれた様々な人たちに、経験に、環境、境遇に。心より感謝します。